村上聖 (Murakami Kiyoshi)

MDB/5-A Kiyoshi Special

村上聖 (Murakami Kiyoshi) – Bassist

改造後、最初の現場は天童さんのリハーサルでした。
演歌ですので当然ですがテンポが遅く、またダイナミクスの幅が広いジャンルなのでタッチのコントロールが如何に効くかが重要になります。
新開発のピックアップが本当に優秀でした。最初はパッシブ特有の、ある程度の圧が無いと音として出てくれない感じに若干戸惑いましたが、数曲弾く間に慣れてきて、タッチコントロールもイメージと合う様になりました。

音像もある意味「アコースティック的」でこのベースの持つ帯域を無理に広げていない感じと言いましょうか…。
逆を言うとアクティブピックアップだと埋まってたであろう不必要な帯域が空いた事によってベースの居場所、存在がくっきりと浮き彫りになった、そんな印象です。

MDBを持ち出すのが本当に久しぶりだったので、改めて驚いたのがこのベース、音を止めるまでいつまでも鳴ってます。ピアニッシモで弦を弾いてもそのまま鳴り続けますね。ベース本体とピックアップを含むサーキットとのマッチングが良い証拠だと思います。

– 村上 聖 –

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<アニサマリハーサル>

改造後の試奏でもピック弾きやスラップのサウンドをチェックして右手のアクションが、どれくらい音や音色に反映されるかを試し、ある程度イメージは出来ていましたが、バンドで実際に音を出して見るとやはり色々と想定外な効果がありました。

一番驚いた(笑った)のが歪みがカッコいい音なんです。(^^)

アニサマの場合メインの音色がほぼクランチ系なのでまさにこのサウンドの為のベースかも?と、思うほどです。曲によってはさらに歪ませたトーンで演奏する曲もあるので、ロック魂に火がつきます。(^^)

これも余計な帯域が無く「芯」がクッキリしているからかと思いますが、ギターとのユニゾンなんかは本当にオクターバーを使ったかのようなマッチングです。

もう一点はスラップが抜ける事です。
これも同じく帯域も関係するとは思いますが、ボディの鳴りをかなりピックアップが感知してるのでしょうか? 今回、スラップの音は割とコンプ強めの感じにしていますが、バンドの中での存在感は半端じゃありません。演奏していて凄く楽しいですね。

今回の改造で特に拘った部分のマスター・トーン、これは狙い通りに仕上がっています。可変域も殆どワウになるくらいですよね。一曲の中で明るい部分と暗い部分でトーンを変えるような演奏もこのマスター・トーンがあると躊躇なく出来るので、自分らしい表現が出来るシステムだと思います。
– 村上 聖 –

とにかく凄いベースマンである。きちっとした音楽理論と高度な演奏テクニックですべてのジャンルでのベースを巧みに弾きこなすマルチプレーヤーである。幼少時代からクラリネット、クラッシックギターのレッスンを受け、そこで演奏法の基礎、読譜、理論などを会得した。正統派の楽曲から、ロック、ポップス、ジャズ、演歌に至るまで幅広いジャンルに対応できる。演奏、作編曲等にもオーソドックスな形式のものからR&Bやコンピュータ音楽に至るまで、幅広い作品で参加、制作している。現在、演奏ではスタジオワークを中心にライブやセッション、ジャズ、フュージョンシーンなどにおいても精力的な活動を行っている。活動としては、和泉宏隆トリオとしてのツアー参加、エリック・宮代のアルバムやライブに参加。平井景トリオにも参加、三味線の上妻宏光とのジャズコラボと実に幅広い活動をしている。松原正樹率いる『4ROCKAMBOS』のメンバーとしてスーパーコラボ、HUMARNYRHM-Vのアルバムでは何曲か彼の曲が入っている。近年ではアニサマバンドの重鎮として活躍する傍ら、天童よしみのツアーメンバーとしても活躍し幅広いジャンルでの音楽に対応している。


村上聖:オフィシャルウェブ

MDB-Elite5-A / KIYOSHI Special
実は自分の好みの音、そして楽器としての扱い易さや触感、これらの理想が今回のアニサマでも使用したFender Jazz Bassなんです。4弦はこいつ一本でもう充分ですね。「こんな風に弾ける5弦を作りたい」というリクエストに対して
材質、指板材、パーツと選び抜いて僕のイメージを具体化してくれました

<こだわりポイント>
1) 『f』ホール MDBのラインナップで 『f』ホールはホローボディー仕様(中空で箱状のボディー)のデザインなんです。僕のベースはソリッド仕様(板状ボディー)なので『f』ホールは基本的に入れられないのですが、やはりアクセントがあってかっこいいので入れて貰いました。『f』ホールの部分だけ彫り込んであるけど、ちゃんとソリッドなのです。

2) ネックとボディのバランス
最近は24フレットの楽器も普通にありますが、楽器をストラップで下げた時に1フレットが遠く感じる楽器ってありませんか? このベースは22フレットあるのですが楽器を下げた時のネックの位置を Fender JBと同じ位置になる様にしてもらいました。(Fenderは20フレットですが…) 使い慣れたFenderと持ち替えても全く違和感が無く演奏出来る様に出来ています。

3) ボディーカラー 僕が中3の時に、超頑張ってアルバイトして買ったベースがFenderのプレシジョンスペシャルという楽器でした。このカラーが真っ白のボディーにヘッドも白、更にパーツは全てゴールドだったんです。 自分のモデルが作れるなら1号機はこのカラーにしようと決めてたんです。ふふふ、とっても満足しています。(^^)

– 村上  聖 –